質問してみた

蒲原聖可さんが書いた“代替医療 効果と利用法”

代替医療―効果と利用法 (中公新書)

代替医療―効果と利用法 (中公新書)

 にいくらなんでもこれはと思う記述があったので、ブログで本人に質問してみました。以下。



初めまして。
大学の医学図書館で見つけて、中公新書の“代替医療 効果と利用法”を読ませていただきました。興味深い記述が多く、参考にさせていただきました。
医学生として、2つ質問をさせていただいてよろしいでしょうか。

1.

基礎医学の分野では、1988年、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」が白血球の活性に対するホメオパシー治療薬の効果を報告して話題になった。このとき、この現象に科学的根拠はないとするコメントも同時に発表された。この問題は未解決のまま残されている。

との記述(P.54)がありますが、この報告の再試験をネイチャー編集長を含めた調査チームが行ったところ、元論文のような結果は得られなかったとの記事( http://www.criticandokardec.com.br/benveniste02.pdf )が掲載されたことは有名ですが、“未解決”とは具体的に何を指してのことでしょうか。

2.

臨床医学では、ホメオパシーの効果を示した臨床報告や臨床試験は数多く報告されている。しかし、ヒトの場合はプラセボ(偽薬)効果も確実に存在するため、ホメオパシー自体について検証するには、更なる臨床試験が必要である。

との記述(P.55)がありますが、プラセボ効果も考慮に入れた、充分な数の臨床試験のメタ解析を行った論文は既に複数あります(一例 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16125589 )。ホメオパシーの効果が“検証”されるには現時点で具体的に何が不十分だとお考えになりますか。


さてどんなお返事がいただけるか、楽しみである。
ぜひMOCHIMASAさんにやっていただきたい仕事であったW

http://d.hatena.ne.jp/Mochimasa/20110109/p1